パイソン革の加工種類、艶感を増すグレージング加工・艶感を抑えるマット加工・ウロコ止め加工など
- パイソン革の加工種類(メインは2つ)
- グレージング(シャイニング)加工・仕上げ
- マット加工・仕上げ
- ウロコ止め加工・仕上げ
- ラッセル加工・仕上げ
- パール加工・仕上げ
パイソン革の加工種類(メインは2つ)
パイソン革製品は、加工方法によってその仕上がりに大きな違いが生まれます。パイソン革に用いられる主な加工方法(仕上げ)には、以下があります。
代表的なもの |
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パイソン革によく見られるもの |
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グレージング(シャイニング)加工・仕上げ
皮革の加工で代表的なものの1つ。表面を摩擦・研磨することで光沢・艶感を出します。

グレージング(シャイニング)加工・仕上げの特徴
グレージング(シャイニング)加工は、皮革の表面に塗料・ワックス等を塗布し、摩擦研磨して光沢を出す加工(仕上げ)方法です。シャイニング仕上げという言葉でよく表現されます。

グレージング(シャイニング)加工は、マット加工と共に皮革の定番加工です。特にクロコダイル革では、グレージング(シャイニング)加工による艶出しが人気で、本当の宝石のような輝きを放ちます。
グレージング加工 + ウロコ止め加工
グレージング加工したパイソン革は、グレージングの際の摩擦により手触りが硬くなる特徴があります。またウロコが硬くなることで、バッグや衣類にパイソン財布を収納する際、ウロコが引っ掛かってしまう弊害も生まれます。
そのため、グレージング加工したパイソン革には糊付けによるウロコ止め加工を施しているものが多いといいます。ウロコ止め加工を施すことで、ウロコの立ち・反り・剥がれが緩和されます。
パイソン革のグレージング加工は光沢感が不自然に感じるのと、ウロコ止め加工によりウロコがべったり寝てしまうので、個人的にはあまり好きではありません。
マット加工・仕上げ
皮革の加工で代表的なものの1つ。グレージング(シャイニング)加工とは逆に、艶消しが目的です。

マット加工・仕上げの特徴
グレージング(シャイニング)加工が艶出しを目的としているのに対し、マット加工は艶消しを行い、皮革本来の風合いや経年変化を楽しむ目的で用いられます。

マット加工では、艶のない状態から始まり、使い込みによる手の皮脂、ご自身のお手入れ(乾拭き)による経年変化によって、徐々に光沢感が増していくといいます。「革を育てる」醍醐味を楽しめるのがマット加工です。
パイソン革のマット加工は、手触りがしっとり柔らかいのも特徴のひとつ。表面コーティングを行わないため、パイソン革本来の手触り・柔らかさ・しっとり感があります。また、パイソン革のもつワイルドなウロコ・斑紋が引き立つのでおすすめ。
個人的な好みでは、マット加工のほうがパイソン革の重厚感が増しておすすめ。
ウロコ止め加工・仕上げ
グレージング加工の紹介でも触れましたが、ウロコ止め加工はウロコが剥がれ(めくれ)ないように糊付けする加工です。グレージング加工されたパイソン革では、硬化したウロコの引っ掛かりを防ぐために、ウロコ止め加工が施されている場合が多い。
マット加工は皮革が柔らかく仕上がるので、ウロコ止め加工が不要となる場合が多い。
ウロコ止め加工は、ウロコの自然な立ちが損なわれるのであまり好きではありません。
ちなみにパイソン革のウロコ、特にバックカットした腹中央の大きなウロコには反りがありますが、パイソン革のウロコはそう簡単には剥がれないようになっています。
ラッセル加工・仕上げ
ラッセル加工とは、ウロコ周りに黒い染色を行い、立体感ある仕上がりにする加工です。ウロコの重厚感が増し、アンティーク調な風合いに仕上がります。

パール加工・仕上げ
染料にパール剤を加え、真珠のような柔らかい光沢を出す加工。

