マトラッセ（Matelasse）

シャネルを代表するバッグで、ひし形状のステッチ（縫い目）が印象的。マトラッセといえば一般にチェーンバッグを指す場合が多い。フラップ（上蓋）構造は2種類あり、上蓋1つのシングルフラップ、内側にもうひとつ蓋を配したダブルフラップがある。

最終更新日 2024/11/16

バッグ区分

ショルダーバッグ

マトラッセとは

マトラッセとは、ひし形状のステッチ（縫い目）が施されたデザインを指します。

シャネルに詳しくなくても、ブラックのレザー生地に、ひし形ステッチが施されたバッグデザインを見て「あ、シャネルのバッグだ！」と直感できる人も居ると思います。このようにマトラッセは現在、シャネルを象徴するデザインとなっています。

シャネルでは、キルティング加工（生地に詰め物を入れて縫い目を付ける技法）された製品をマトラッセと呼んでおり、ハンドバッグ・ショルダーバッグ・トートバッグ・財布など、様々なシャネル製品にマトラッセが存在します。

ですので、マトラッセ自体はバッグのライン（モデル）を指す言葉ではありません。

ただ、シャネルのマトラッセといえば一般にチェーンバッグを指すことが多く、正式には「クラシックハンドバッグ」と呼ばれるバッグに属します。

マトラッセの原型は、1955年に登場したショルダーバッグ「2.55」がもとになっています。

2.55は、従来の女性が手にもつクラッチバッグに、ショルダーストラップを付けて考案されたモデルであり、これが現在でも不変のデザインとして受け継がれています。

そういった経緯から、クラッチバッグとショルダーバッグの2Way仕様であることが分かります。

マトラッセの特徴をピックアップ。

冒頭で紹介したように、ここではチェーンバッグのマトラッセについて、その特徴を紹介します。

マトラッセはフランス語で「詰め物をする」「綿入れをする」という意味をもつ言葉です。その言葉が表す通り、ひし形状に縫われた生地が、柔らかな立体感を生み出しているのが特徴です。

生地の中に詰め物をして縫い目を施す「キルティング加工」により、ふっくらとした立体感ある外観と、柔らかい手触りが特徴のバッグとなっています。

マトラッセの背面には、通称「スマイルポケット」「モナリザスマイル」と呼ばれる大きな背面ポケットが配されています。

スマイルをしているような大きなポケットは、現金をすぐに取り出せるよう取り付けられたものです。

マトラッセのショルダーストラップには、レザーが編み込まれたメタルチェーンが使用されています。

一方、マトラッセの原型となったショルダーバッグ「2.55」には、こういったレザーの編み込みチェーンは用いられず、シンプルなチェーンが使われることが多いようです。

全体数は分かりませんが、「2.55」にも、レザーの編み込みチェーンが用いられているモデルは存在します。

マトラッセのターンロック金具には、定番のココマークが採用されています。金具の色は主にゴールド金具・シルバー金具が用いられています。さりげないデザインですが、シャネルのマトラッセを主張するポイントです。

ココマークはマトラッセの特徴のひとつ。マトラッセの原型となった「2.55」にはココマークはありません。

マトラッセのフラップ（上蓋）構造は2種類あります。上蓋が1つしかないシングルフラップと、内側にもうひとつ蓋を配したダブルフラップです。

シングルフラップとダブルフラップにはそれぞれメリット・デメリットがありますが、一見面倒に思えるダブルフラップの方が市場の人気は高いようです。個人的にはアクセスの早いシングルフラップ推しですが。

マトラッセのサイズ種類は、バッグの横幅（㎝）によってマトラッセ23、マトラッセ30のように呼び分けられます。

マトラッセのサイズは、現在以下の6種類が確認されています。

長財布、500mlペットボトル、折り畳み傘サイズ

ノートパソコン、A4・B4サイズ