1923年に誕生した半楕円形のバッグで、当時は世界初の「ファスナー付きバッグ」としても話題になりました。
ボリードは発表当初「ブガッティ」と呼ばれていました。ブガッティという名称は、フランスの高級車「ブガッティ」からとったとされます。交通手段が馬車から自動車へと移っていく時代変化の中で、当時のエルメス社長であるエミールが、「自動車に乗せて運ぶバッグ」という構想のもと、ブガッティバッグは世に送り出されました。
ボリードには現在以下の2タイプがあります。
ボリード |
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スタンダードとされてきたタイプ。ミニサイズから大きめサイズまで、サイズ展開が豊富にあります。 |
ボリード1923 |
1923年当時のデザインを復刻させたモデル。マカロン(楕円形プレート)やステッチ(縫い目)がなく、シンプルですっきりしたデザイン。今後はボリード1923が現行ラインになると噂されています。 |
ボリードの特徴をピックアップ。
ボリードは発表当初「ブガッティ」と呼ばれていたことは、先ほども触れました。
これは、エルメスが発表したバッグ「ブガッティ」が移動用バッグとして人気を集め、ほかのブランドもこぞって「ブガッティ」のデザインを真似るようになり、発案側のエルメス自身がボリードに改名するという流れになったためです。そして現在では、半楕円形のバッグは「ブガッティ型」と呼ばれるようになっています。
また、ボリードが半楕円形のフォルムをしているのかについては、当時の自動車の形状が関係しています。
当時の車は「円形デザイン」が主流であり、車の円形トランクにすっぽり収まるよう設計されたボリードが、移動用バッグとして人気になりました。「車体正面のラジエーター(冷却装置)の形が似ているから」という説もあるようです。
また世界で最初にファスナー付きバッグを考案したのがエルメスのボリードであったといいます。
現在では「ブガッティ型」「ブガッティバッグ」として名が定着している半楕円形バッグ。
現代風に細かなモデルチェンジを重ねているものの、今私たちが見ても優美で上品な印象を与えてくれるデザインです。シンプルな造りなので、曲線や全体フォルムが引き立ちます。ハンドル取り付け部分のひし形のようなデザインも、ボリードの魅力を引き出すポイントになっていると思います。
ボリードは世界初のファスナー付きバッグとして登場しました。今では当たり前のファスナーですが、当時はバッグの中身が外に飛び出さない画期的なものでした。
幅広のファスナーを開けると、大きな収納口が開きます。内装構造もシンプルで、一目で中身を確認できる仕様になっています。
エルメスお馴染みのカデナ(南京錠)も備え付けられています。
このカデナはファスナーを閉じた際の南京錠として機能するほか、エルメスお馴染みのアイコンデザインの役割も担っています。カデナを使用しない場合は、専用クロシェット(カデナカバー)に納めるなど選択できます。
現行ラインとされるボリード1923には、こちらのマカロンがなくなりました。
これまでボリードのアイコン的な役割を担っていたのが、バッグ正面上部に配された通称「マカロンボリード」と呼ばれる楕円プレート(ロゴ)です。現行ラインとされるボリード1923では、このプレートはなくなっています。
またボリードの特徴的デザインでもあったバッグを横断するステッチ(縫い目)も確認できますが、こちらもボリード1923ではみられなくなっています。
ボリードは1923年の登場以来、これまで様々なモデルが発表されてきました。ベースとなる外観は発売当初より踏襲されていますが、生地に用いられる素材やカラーは、様々登場しています。詳細は後述しますが、素材の種類は数十種類以上、カラーに至っては200種類以上もあります。
同じカラーでも素材によって発色が異なるので、その組み合わせは数千パターンといえます。
ボリードは大量生産は行っておらずその数に限りがあるため、非常に高額で取引されています。同ブランドのケリーやバーキンほど異常な値段は付きませんが、定価で数百万円のものも存在します。
ネット販売で新品を購入できるなど、同ブランドのケリーやバーキンに比べて入手がしやすいです。
廃番が噂されるボリードと、今後現行ラインとして期待されるボリード1923との違いを列挙しました。
ボリード | ボリード1923 | |
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外観 |
|
|
マカロン | あり | なし |
ステッチ(縫い目) | あり | なし (旧型のボリード1923にはあり) |
ハンドル長 | 相対的に長い | 相対的に短い |
開閉口の大きさ | 相対的に浅い | 相対的に深い |
内ポケット数 | 1つ | 2つ |
ファスナー金具 | 台形 | リング状 |
ボリードには、ボリード、ボリード1923の2タイプがあります。
ボリードのサイズ種類は、バッグの横幅(㎝)によってボリード27、ボリード31のように呼び分けられます。
ボリードには、従来のボリードとは別に、1923年当時のデザインを復刻させたボリード1923というモデルがあります。ボリードは廃番が進んでおり、今後はボリード1923が現行ラインになると噂されています。マカロン(楕円形プレート)が印象的だった従来のボリードは、中古市場での取引がメインとなりそうです。
ボリードのサイズは、現在以下の6種類が確認されています。
ボリード1923のサイズは、現在以下の3種類が確認されています。
モデル | サイズ |
---|---|
ボリード15 | 幅15㎝ × 高さ12㎝ × マチ6㎝ |
ボリード21 | 幅21㎝ × 高さ15㎝ × マチ7.5㎝ |
ボリード27 | 幅27㎝ × 高さ20㎝ × マチ7.5㎝ |
ボリード31 | 幅31㎝ × 高さ25㎝ × マチ12㎝ |
ボリード35(37) | 幅35㎝ × 高さ26㎝ × マチ14㎝ |
ボリード45(47) | 幅45㎝ × 高さ36㎝ × マチ24㎝ |
モデル | サイズ |
---|---|
ミニ(18) | 幅18㎝ × 高さ14㎝ × マチ8㎝ |
25 | 幅25㎝ × 高さ18.5㎝ × マチ10㎝ |
30 | 幅30㎝ × 高さ23.5㎝ × マチ12㎝ |
ボリード35は元々37㎝でしたが、現在は35㎝にサイズ変更されています。ボリード45についても同様に、47㎝から45㎝へのサイズ変更されています。
名称 | 一般的サイズ |
---|---|
長財布 | 幅20㎝ × 高さ10㎝ × マチ3㎝ |
500mlペットボトル | 高さ21㎝ × 直径7㎝程度 |
折り畳み傘 | 高さ24㎝ × 直径6㎝程度 |
画面サイズ | 対角線 | 縦横長さ |
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13型 | 33.02㎝ | 28.78㎝ × 16.19㎝ |
13.3型 | 33.79㎝ | 29.45㎝ × 16.57㎝ |
A4用紙 | 29.70㎝ × 21.00㎝ | |
14型 | 35.56㎝ | 31.00㎝ × 17.44㎝ |
15型 | 38.10㎝ | 33.21㎝ × 18.68㎝ |
15.6型 | 39.63㎝ | 34.54㎝ × 19.43㎝ |
B4用紙 | 36.40㎝ × 25.70㎝ |
機内持ち込みサイズ | |
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3辺の合計 | 115㎝(以内) |
3辺の長さ | 55㎝,40㎝,25㎝(以内) |
総重量 | 10㎏(以内) |
ボリードの人気サイズは、ボリード27, ボリード31です。
ボリード1923の人気サイズは、25です。
ボリードの定番・人気素材は、トリヨンクレマンス, エプソンです。
ボリードはロングセラーモデルであり、その素材は累計で数十種類以上にも及びます。長い歴史の中で廃番となってしまった素材もあり、素材ひとつをとっても、歴史と奥深さを知ることができます。
定番色・人気色とされるのは、ブラック, エトゥープ, ホワイト系, ピンク系, オレンジ系です。
人気サイズ | ボリード27, ボリード31 |
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人気素材 | トリヨンクレマンス, エプソン |
人気カラー | ブラック, エトゥープ, ホワイト系, ピンク系, オレンジ系 |